基本情報

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久保 英也

KUBO HIDEYA


職名

教授

研究分野・キーワード

環境リスクファイナンス、生命保険会社の資産運用、ALM、リスクの計量評価。保険会社の健全性監督や保険会計など。

プロフィール

30年間の実業界での生活で、こんな上司や部下は持ちたくない、そんな気持ちを起こさせる人がいます。例えば、①十分な理論的根拠もないのに、総合判断という名の決断を急ぐ人、②リスク(直接、間接にも目的達成に伴う障害や弊害)を正視しようとせず、リターン(収益や目的達成度)のみに目が行く人、また、リスクを取らずリターンのみを期待する人、③リスクに対応するリスクバッファー(損失は会社持ち、会社はつぶれない)はただだと思い込んでいる人など、企業の半数以上は、このような人達です。ただ、その原因は、各人のパーソナリティにあるではなく、リターンとその見返りであるリスクを考えない意思決定のあり方に原因があると考えています。いわば、投資活動において、リスクとリターンを管理するALMの認識を持たず、投資をしている状況です。 自分が与えられた権限の中で仕事をすることと資本金の中で、借り入れを起こし、設備投資や海外進出などのリスクを取りつつ収益を稼ぐ企業行動は同じです。仕事を進める中でのリスクを自分の権限の範囲内に収めることと企業収益の振れを資本金の中にとどめることも本質的には変わりません。 資産・負債を使い生み出す収益の振れを予測し、その下振れに対応するバッファーを有するというALMは、投資分野だけの概念ではなく、一般の仕事や日常生活においても非常に重要な考え方です。 リスクとリターンの十分な認識がないと、失敗を運や人のせいにすることになりますし、その人が組織の長であれば、組織の目的と企業の目的が乖離します。最近の企業のコンプライアンス不足による不祥事は、紙に書いた法令遵守マニュアルがなかったから八津精したのではなく、社員一人一人に、ALMの発想が根付いていないことが原因です。ALMの発想に立てば、自分の行動が万が一不祥事を惹起した場合、その影響を自分の担当プロジェクトの損失額として認識し、また、会社というリスクバッファーを根こそぎ失うかも知れないと考えるからです。 ただ、ALMの考え方がないのは、個人が怠惰であるからではなく、単に、ALMに触れるチャンスや教えてもらう機会がなかったからです。 保険、とりわけ、ギリシャ・ローマ時代を起源とする冒険貸借やドイツの火災ギルドを起源とする損害保険は、リスクの所在とその対応コストを明確にし、リスクとる人とリスクを引き受ける人を結びつけました。500年〜2000年の時を経て、リスクの引き受け手が個人から保険会社、そして証券化した金融市場へと拡大しても、その本質は変わっていません。保険は自分が直面するリスクを明確に認識させるとともに、それをヘッジする対価も教えてくれます。また、同時に相互扶助という人間の本来行動の重要性も教えてくれます。自分のとるべきリスクとそれをヘッジする保険やオプション適合すれば、リスク対応が可能です。この人間の本質的な行動とその工夫を学ぶところにまず、保険論を学ぶ第一義があると考えます。 しかしながら、一方で、ビジネスの現場(サラリーマンでも経営者でも企業家でも)においては、立ち向かうリスクが多様で、損害保険、生命保険、各種のデリバティブを総動員しても、すべてのリスクに対応できるわけではありません。この場合、自分でリスクを評価し、リスク発現時の状況を想定し、その対応策を模索することが求められます。自分の経験や人の話を聞くのもリスク対応の一手段ですが、より合理的にリスク評価を行うには、将来の予測(期待収益率や振れ幅)に必要な最低限の計量分析手法を身につけておくことが重要となります。 また、職種にかかわらず、また、サラリーマンや企業家にかかわらず、社会人として仕事をする上では、常にリスクに対峙する積極的な姿勢が大切です。その姿勢は、自分でリスクを評価し、対応を練れる能力が備わってこそ可能になります。保険数理に加え、簡単な計量分析(予測能力)やファイナンスの基礎まで含んで初めて、ビジネスで生きる保険論となると考えます。 保険数理と計量分析とファイナンスを組みあわせた保険論を提供し、「部下や上司になって欲しい人材のナンバーワン」と言われる研究者や学生を作り上げることに貢献できれば幸いです。

出身大学 【 表示 / 非表示

  • 神戸大学  経済学部  経済学科

    大学,1977年03月,卒業,日本

取得学位 【 表示 / 非表示

  • 商学博士,商学,神戸大学,論文,2005年09月, 生命保険業の新潮流と将来像

学内職歴 【 表示 / 非表示

  • 滋賀大学 経済学部,教授,2007年08月 ~ 継続中

学外略歴 【 表示 / 非表示

  • 財団法人 日本経済研究センター 研究員 その他の部署,研究員,1985年04月 ~ 1987年03月

  • コンファレンスボード(ニューヨーク) 経済経営環境部門,エコノミスト,1987年03月 ~ 1988年03月

  • 日本生命保険相互会社 総合企画部 部次長 その他の部署,その他の経歴,1993年12月 ~ 1998年03月

  • ニッセイ基礎研究所 上席主任研究員 その他の部署,主任研究員,1998年03月 ~ 2000年03月

  • 社団法人 生命保険協会 調査部 部長 その他の部署,部長,2001年03月 ~ 2003年03月

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所属学会・委員会 【 表示 / 非表示

  • 日本保険学会,2003年10月 ~ 継続中,日本

  • 日本リスク研究学会,2004年04月 ~ 継続中,日本

  • 生命保険経営学会,2004年04月 ~ 継続中,日本

専門分野(科研費分類) 【 表示 / 非表示

  • 保険

 

研究経歴 【 表示 / 非表示

  • 保険と資本市場の融合と独立性(2008年度新規獲得科研費:基盤研究による),2008年06月 ~ 2010年03月

    ART,モンテカルロシュミレーションによる保険料の計算,商学,機関内共同研究,(選択しない)

論文 【 表示 / 非表示

  • 現代ポートフォリオ理論を用いた生保の最適資産ポートフォリオの提案,保険学雑誌631号 (頁 33 ~ 64) ,2015年12月,久保英也、楠田浩二

    研究論文(学術雑誌),pp.1-30,共著,金融・ファイナンス

  • 'Improvement of Life Insurance Policyholders' Protection Corporation with Emphasis on Consistency with Vietnamese Market",Jounal of Economics and Development,17巻 2号 (頁 1 ~ 23) ,2015年09月,HIDEYA KUBO, Nguyen Nga

    研究論文(学術雑誌),pp.1-23,共著

  • 環境リスクファイナンスの提案−琵琶湖の全循環停止リスクを対象として,保険学雑誌630号 (頁 43 ~ 60) ,2015年09月,久保英也

    研究論文(学術雑誌),単著,金融・ファイナンス

  • 生保の株式会社化が株式市場に与えた影響,生命保険経営,82巻 6号 (頁 107 ~ 126) ,2014年11月,久保ヒデヤ

    研究論文(学術雑誌),単著,金融・ファイナンス

  • 金利変化がソルベンシーⅡとソルベンシー・マージン基準に与える影響,保険学雑誌645号 (頁 1 ~ 30) ,2014年06月,王美、久保英也

    研究論文(学術雑誌),共著

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著書 【 表示 / 非表示

  • 保险的独立性及其与资本市场的融合-以日本为例,科学出版社,2016年06月,久保英也

    単行本(学術書),単著,金融・ファイナンス

  • 中国における医療保障改革ー皆保険実現後のリスクと提言,ミネルバ書房,2014年04月,久保 英也

    単行本(学術書),共著,商学

  • 「中国の公的医療保険など保険制度にかかわる計量分析   −滋賀大学リスク研究センター東アジア保険プロジェクト報告」,サンライズ出版,2014年03月,久保英也

    単行本(学術書),pp.1-218,共著,商学

  • 保険の独立性と資本市場との融合,千倉書房,2009年10月,久保 英也

    単行本(学術書),単著,商学

  • 新・保険学,有斐閣アルマ,2006年12月,その他の著者

    単行本(学術書),分担執筆,商学

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総説・解説記事(速報、書評、報告書、記事他) 【 表示 / 非表示

  • 書評:大塚忠義著「生命保険業の健全性戦略ー財務指標とリスク測定手法による早期警戒機能ー,日本保険学会,保険学雑誌628号 (頁 159 ~ 162) ,2015年03月,久保 英也

    書評,文献紹介等,単著

  • 韓日地域反映に向けた関西広域連合と滋賀大学の「グローカル」戦略,2nd International Seminar on promoting Economic Development and Cooperation in the Far East Asian Rim (頁 77 ~ 115) ,2014年04月,久保 英也

    総説・解説(大学・研究所紀要),単著

  • エコノミストレター,ニッセイ基礎研究所,エコノミストレター120号 (頁 1 ~ 5) ,2000年04月,久保英也

    速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要),単著,金融・ファイナンス

研究発表 【 表示 / 非表示

  • 琵琶湖トラスト総会記念セミナー,国内会議,2017年05月,滋賀県公会堂,金融技術の環境保護への応用―森林資源に着目して,口頭(一般),金融・ファイナンス

  • 日本保険学会関西部会第3回報告会,国内会議,2017年02月,大阪駅前第三ビル会議室,国民年金の納付率を押し下げる諸要因についての計量的分析,口頭(一般),金融・ファイナンス

  • 日本保険学会関西部会第二回報告会,国内会議,2016年11月,大阪第一生命ビル,ベトナムにおける協同組合とマイクロインシュアランスを活用した保険市場開拓の可能性,口頭(一般),金融・ファイナンス

  • 第八届中国保险教育论坛征文启事,国際会議,2015年10月,北京,The role of environmental risk finance from the financial sector,口頭(一般),金融・ファイナンス

  • 7th world Water Forum,国際会議,2015年04月,Daegu KOREA,Stakeholder Participation and Raising Finance for the Integrated Water Resources Management (IWRM) of the World’s Lake BasinsThematic Process T1-4-5,口頭(一般)

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その他研究活動 【 表示 / 非表示

  • 第六版会計学辞典の編集,2006年10月 ~ 2007年03月

    フィールドワーク

  • 『マーケティングコミュニケーション大辞典』の編集,2006年01月 ~ 2006年04月

    フィールドワーク

学術関係受賞 【 表示 / 非表示

  • 簡易保険文化財団 2005年度優秀論文賞,2007年01月,その他の賞,日本,簡易保険文化財団

学会・委員会等活動 【 表示 / 非表示

  • 滋賀県警察本部交通部審議委員,その他の役職,2014年05月 ~ 2016年05月

  • 日本リスク研究学会,2012年度大会実行委員長(滋賀大学経済学部開催),2012年11月

  • 日本リスク研究学会,理事 副会長 2017年度滋賀大学大会大会実行委員長,2010年06月 ~ 継続中

  • 日本保険学会,理事,2010年06月 ~ 継続中

  • 日本保険学会,評議員,2007年10月 ~ 2009年10月

競争的資金等の研究課題 【 表示 / 非表示

  • 自治体が環境対策資金を金融市場から直接調達する「環境リスクファイナンス」の提案,基盤研究(C),未設定,未設定,2017年04月 ~ 2020年03月,東京大学生産技術研究所

    地方公共団体が急激な自然環境の悪化に対処するため、金融市場から直接対策資金を調達する「環境リスクファイナンス」(研究代表(者筆者の新概念)を提案する。具体的には、①京阪神1,400万人の水瓶である琵琶湖の「全循環の停止リスク」に対し、金融市場から対応資金を直接調達する理論スキームを提案すると共に「新たな環境保険」「環境リスク債券」の開発・起債などに繋げるフィージビリティ・スタディを行う。新型の保険、債券など金融商品化の実績を上げることにより、①同分野の認知度を高め広げ、更に状況の厳しいアジア諸国の環境保全資金の調達に道筋を付ける、②新分野のリスクの引受けにより、積極的な環境取り組みをブランド戦略の中核に置く欧米保険会社に劣後する本邦日本の損害保険会社の国際競争力向上に寄与する。

  • 損害保険・リスクマネジメントおよび関連分野における研究助成,寄附金,未設定,未設定,2016年,公益財団法人損害保険事業総合研究所

  • 国際共同研究東アジア保険プロジェクト,共同研究,未設定,国際共同研究,2011年04月 ~ 2016年03月,東北財経大学(中国、大連)、啓明大学校(韓国、デグ)、ハノイ国民経済大学(ベトナムハノイ)

    滋賀大学経済学部の国際研究を主導すべく、中国の東北財経大学、韓国の啓明大学校、ベトナムのハノイ国民経済大学などを中心に国際共同研究を進めている。ただ、単なる大学内での研究にとどまらず、当該大学の地域や大学の外にある組織(学会や省庁)にまで活動を広げ、「保険」を核とし、当該大学と共同して当該地域で地域活動を行うところに特色がある。この中で、共同研究のベースとなる人間関係は厚くなり、その中で国際共同研究が安定的に持続、拡大する「グローカル戦略」を進めている。
    韓国では、2015年4月12日(日)~17日(金)に韓国大邸広域市で開催された第7回世界水フォーラムにおいて、日本勢としては唯一、会議の中心を構成する「テーマセッション」の主催権を獲得した。同セッションは井戸敏三兵庫県知事、西嶋栄治滋賀県副知事、嘉田由紀子びわこ成蹊スポーツ大学学長(元滋賀県知事)を擁し、ここに滋賀大学リスク研究センターとラオスと韓国、そして国連開発計画UNDPの研究者を加えた。「世界の湖沼流域におけるステークフォルダーの参加・合意と環境分野の資金調達」と題し、約70名の参加者を迎え熱心な報告と議論が行われた。とりわけ、環境分野で金融市場から直接資金調達を行うという提案は前例がなく、シンポジストやフロアーの間でも議論となった。 
    この「環境リスクファイナンス」のスキームは琵琶湖環境科学総合センターや岐阜大学などの自然科学の研究者と本学ファイナンス学科の研究者とが組み生まれたもので「文理融合型の典型的な研究スタイル」を実践した。また、滋賀県と共同してブースも出展し、同6日間の累計訪問者数は約700名にも及び、地元韓国以上にアフリカや欧州からの訪問者が多く国際色にあふれ、滋賀大学の国際的な広報に寄与できた。  
    中国では、東北財経大学金融学院との共同研究(テーマ:中国生命保険会社の最適資産配分)を継続しているのに加え、2015年10月21日(水)~23日(金)に同学で開催された中国保険学会(会員数2,000名)の中心行事である「第8回保険教育フォーラム」に参加し、中国保険学会会長との会談や研究報告を行った。
    ベトナムでは、1年に以上にわたり国際共同研究を続けてきたハノイ国民経済大学保険学部との研究論文が有力国際ジャーナルJournal of Economics and Developmentに掲載された。内容がベトナムの生命保険契約者保護システムの提案であったため、ベトナム財務省との意見交換も行った。なお、同学にはリスク研究センター運営委員の一人を研究留学(雇用ジェンダー問題の研究)させているのに加え、すでに次の共同研究(ベトナムのマイクロインシュアランスの拡大提案)がスタートしている。
    同プロジェクトの2015年度の活動成果は、国際関係行事4本、うち国際シンポジウム1回、国際学会報告1本、国際セミナー2回(於:滋賀大学)、に加え、国際ジャーナル採択1本、中国版書籍の発刊準備の完了1本(2016年5月に中国最大手出版社の科学出版社から発刊予定)。

  • 保険と資本市場との融合と独立性,基盤研究(C),未設定,未設定,2008年04月 ~ 2011年03月

    金融野中で独立性が高かった保険分野が資本市場と一体化する現状と課題を分析。

  • 納得感の高い健全性情報の在り方,受託研究,一般受託研究,未設定,2006年04月 ~ 2007年03月,簡易保険文化財団

    金融機関の健全性指標の研究

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共同研究希望テーマ・研究シーズ 【 表示 / 非表示

  • (滋賀大学シーズ集No.13より)【代表的な研究テーマ】「日中生命保険会社の最適資産配分/びわ湖の生態系保全とリスクファイナンス/日韓広域連合の協業効果」,【キーワード】環境リスクファイナンス/韓国広域連合/びわ湖生態系保全/中国、韓国、ベトナムとの共同研究, 

    (詳細は以下のURLに掲載しております。)
    http://www.shiga-u.ac.jp/wp-content/uploads/2013/09/31.kubo_.pdf

 

担当授業科目 【 表示 / 非表示

  • 演習Ⅶ,2017年  -  2017年

  • 演習Ⅴ,2017年  -  2017年

 
 

社会貢献 【 表示 / 非表示

  • 国際ネットワークTCIのアジア支部立ち上げに奔走,2016年04月 ~ 継続中

  • 中国保険学会と日本保険学会との交流促進,2016年04月 ~ 継続中

  • アジア経済セミナーの開催,2015年12月

  • 日韓知事会談の実施,2015年04月

  • 滋賀県警察本部交通部審議委員,2012年04月 ~ 継続中

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社会貢献に関する受賞 【 表示 / 非表示

  • 日韓広域連合連携貢献賞,2013年04月,大慶圏広域発展委員会,久保英也 金びょんぎ